F2転換とは?計算方法とカスタマージャーニーから考える「2回目の購入」を増やす方法


この記事では、ECサイトのリピーター育成やLTVの向上において重要な指標とされる「F2転換」およびF2転換を数値的に表した「F2転換率」とは何か?その重要性と向上方法について解説します。

通り一遍な解説ではなく、特に次の2点についても具体的に解説します。

  • カスタマージャーニーを分解し、それぞれのフェーズでどのような対策をすることがF2転換向上に重要か
  • F2転換の向上に不可欠なレコメンドやパーソナライゼーションの活用

最後まで一読いただき、ぜひECサイトの売上向上や顧客との関係構築にお役立てください。

F2転換率とは?カスタマージャーニーから考えるECサイトのリピーター育成戦略


【INDEX】


ECサイトにおけるF2転換とは?なぜF2転換率が重要か

最初に、F2転換とは何か、またF2転換を数値的に表した指標であるF2転換率の具体的な算出方法、そしてECサイトでF2転換率をベンチマークとして施策を講じていくことの重要性について確認しておきましょう。

F2転換とは

Fは購入頻度(Frequency)を表し、2回目の購入をF2と言います。
したがってF2転換とは、ECサイトなどにおいて「初回購入を完了した顧客が、2回目の購入をすること」を指します。

したがってF2転換は、新規顧客獲得ではなく、既存ユーザーとの長期的な関係を表すものです。
単発的な売上ではなく、顧客との長期的な関係性を築き、LTV(顧客生涯価値)を向上させるための転換点なのです。
F2転換を促す具体的な施策としては、初回購入者限定のクーポン配布や、パーソナライズされた商品レコメンドなどが挙げられます。

F2転換率とは?必要なデータと計算方法

次にF2転換を数値的に表した「F2転換率」とは何か確認しましょう。
F2転換率とは、2回に購入したユーザーの割合、つまり初回購入をしたユーザーが、どのくらい再訪して2度目の買物をしているかを示す値です。
具体的には次のように算出されます。

F2転換率(%)=(2回目の購入を完了した顧客数÷初回購入を完了した顧客数)×100

例えば、ある期間に初回購入者が1,000人いて、そのうち2回目の購入をした顧客が200人だった場合、 (200 ÷ 1,000) × 100 = 20% となり、F2転換率は20%となります。

このようにしてF2転換率を算出するためには、CRMやGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールから、顧客IDや購入履歴といったデータを取得する必要があります。
また、初回購入からどれくらいの期間での2回目の購入を集計対象とするか、集計期間を明確に定めておくことも重要です。

1:5の法則でわかる、F2転換率向上施策の重要性

F2転換率を注視して施策を講じていくことの重要性は二つあります。

一つは、F2転換が、LTV(顧客生涯価値)の最大化に不可欠な「利用継続期間」と「購入回数」向上の第1歩だからです。
2回目の購入経験を経た顧客は、すでにそのECサイトの扱う商品の方向性やルールを理解しており、またメルマガやLINE、SNSといった再訪のきっかけとなる導線も確立されています。
このため3回目、4回目と、長期的なリピート購入につながる可能性が高く、有望な優良顧客といえます。
このため、F2転換率の向上はサイトの安定した収益の維持・向上にとって重要です。
そのためには商品の質だけでなく、ショップ内での買い物体験や、再訪を促すためのメッセージングが、マーケティングの重要な打ち手となります。

もう一つは、F2転換顧客を育成することは、新規顧客の獲得と比較して、費用対効果が非常に高いということにあります。
一般に、新規ユーザーの獲得には、リピートユーザーの維持の5倍のコストがかかると言われています(「1:5の法則」と呼ばれます)。
さらに、2020年のコロナ禍の後、店舗からネットに流れた顧客を獲得するために、各社がこぞって広告を打ったため、広告による新規顧客の獲得単価が高止まりしています。
このため、高止まりしている新規顧客獲得施策に予算をつぎ込み続けるよりも、サイト内や購入後の施策でF2転換率を上げ、リピート顧客の数を効率よく増やす施策が、コロナ後のEC成長には重要なのです。

カスタマージャーニーとパーソナライゼーションを意識したF2転換率向上

F2転換率を向上させていくためには、F2転換の要因を分解し、個々に対策をしていかなければなりません。

ユーザーが初回購入から2回目の購入に至るまでには、一定の行動フェーズがあり、このフェーズの移り変わりをカスタマージャーニーと呼びます。
F2転換率の向上を考える上では、このカスタマージャーニーのフェーズごとに、F2転換の要因となるポイントを考え、施策を打ちましょう。

F2転換率の向上を考えるうえで必要なカスタマージャーニーのフェーズを大まかに分けると、以下の3つです。

1. ショップを訪問し、初回購入を行うフェーズ
2. 初回購入後、ショップの再訪を検討するフェーズ
3. ショップを再訪し、2回目の購入を行うフェーズ

ECの場合、各フェーズの顧客行動をデータとして取得し分析できるので、サイトやEメール、アプリなどで実施できる打ち手も豊富です。

実店舗の場合、フェーズ1と3は店舗内での体験(店員の対応や商品の陳列の良さなど)にかかっていますが、フェーズ2の「ショップ再訪の検討」は、ECと同じくEメールやアプリを介したデジタル施策で改善が可能です。

ただ、ECにしろ、実店舗にしろ、顧客はカスタマージャーニーの各フェーズで一人ひとり異なる行動をしています。目的が違えば、サイト内で見る物も、買うものも違います。各フェーズごとに有効なF2転換率の向上施策を打ったとしても、顧客個人の体験にフィットしなければ、効果はあがりません。そこで、AIの分析力を使い顧客ごとにパーソナライズした打ち手を考えるべきです。

つまり、パーソナライゼーションを縦糸として、各フェーズに応じた打ち手を結び付けるわけです。

例えばレコメンドエンジンに使われるAIエンジンを利用すれば、各フェーズのユーザー行動を学習して、異なる商品やコンテンツを提案することができます。
フェーズごとに提案される商品やコンテンツに一貫性があるため、顧客に「常に自分のためのアイテムを紹介してくれる」という感覚を与えることができます。また、AIが自動的に提案内容を変えるため、マーケターの工数を過剰にかけずにF2転換率を上げていくことができます。

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1. 初回訪問でまず顧客の心を掴む

F2転換率を上げるために必要な取り組みとは何なのか?
カスタマージャーニーの3つのフェーズのうち、第1のフェーズについて、AI搭載レコメンドエンジンの活用を軸に説明していきたいと思います。

「2回目の購入」をさせるために絶対に必要なこととは?
「2回目の購入」を行うユーザーが、100%行っている行動とはなんでしょうか? それは「1回目の購入」です。

出オチ感あふれる書き出しとなってしまいましたが、初回訪問でなるべく多くのユーザーを購入に至らせる、しっかりしたCX(顧客体験)施策ができていなければ、2回目の購入など夢のまた夢です。

また、昨今では世界的な個人情報規制の影響で、リターゲティング広告(商品を買わないで離脱したユーザーに、閲覧した商品を広告で繰り返し見せ、購入を促す施策)が使いづらくなっています。ユーザーがサイトを訪問してくれたら、そのセッション内でしっかりと買わせるテクニックが求められています。

2回目の購入=優良顧客化の土台となる、初回訪問時のCX向上のために、レコメンドを中心としたパーソナライズ接客をフル活用しましょう。また、ここで「どんなレコメンドを行うか」が、2回目の訪問時にも大きく響いてきます。

「フック」を意識したECサイトの購入促進術

ここで注目したいのが、ユーザー導線のシナリオ。
ユーザーにサイト内で商品をどのように伝え、購買に至らせるのかの設計です。
ユーザーは、このサイト内体験が「つまらない」と感じると、退屈な映画を観るのを止めてしまうときのように、サイトから離脱してしまいます。

一方で、映画の場合は1本道のシナリオですが、ECサイトではユーザーがどのページを読み、次にどのページに遷移するのかは千差万別です。
シーンごとにユーザーの視線や感情を完全にコントロールして、クライマックス(=購買)に導くことはできない代わりに、ユーザーに合わせて柔軟にコンテンツを変えていくことができます。

一方で、映画脚本のテクニックにはヒントもあります。それは、見ているシーンごとに、次につながる“ヒキ”とか“フック”と呼ばれるものを設定する手法です。

映画の構成には濃淡があり、常に面白くエキサイティングなシーンばかりで成り立っているわけではありません。しかし、たとえ盛り下がるシーンでも、「次にどんな展開が?」と感じさせるカットがあれば、観客のテンションは持続します。

ピークエンドの法則

▲映画やアトラクションと同様にECサイトでも顧客の感情のピーク-エンドを意識することが重要

ECサイトでも同様に、ユーザーが「めんどくさい」と思いがちな商品一覧ページや決済ページ、「思っていた商品と違う」と感じる商品詳細ページなどで、「フック」となる情報を設けることで、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
このフックづくりの例としては、ユーザーの好みと同系統の商品や探しているカテゴリからのレコメンドの表示があります。

関連記事: 「ピーク・エンドの法則」から考える、 オンラインショッピングを楽しくするための成功の鍵

初回訪問フェーズでの離脱を最小化していく

レコメンドエンジンの重要な機能の一つに「ユーザー導線の創出」があります。

たとえば、ユーザーがサイト内で見たい商品を検索し、商品詳細ページで閲覧した結果、それが、自分の好みでないと判断した状況を考えてみましょう。ここでユーザーが次に取る行動は、ブラウザのバックボタンやナビゲーションメニューをクリックして、また面倒な商品探しをやり直すか、買い物を止めてサイトから離脱するかの2択となります。

しかし、このページの中に、適切な商品のレコメンドを表示することで、ユーザーに「これがダメでも、次を見てみよう」というモチベーションを持たせ、ストレスなく閲覧を続けさせることができます。

ユーザーはページをクリックすればするほど、必然的に途中で離脱する可能性も上がります。なるべく、「商品を探しなおす」という手間のかかる行動をさせず、面白い商品だけを数珠繋ぎに見せることが、最初の購買を促す確率を上げていきます。

AIレコメンドでさらに強いフックを作る

この用途でのレコメンドエンジン活用のポイントは、「何をおすすめされたいか」が一人ひとり違うということです。

単純な方式のレコメンドエンジンでは、顧客が見ているカテゴリー内の商品を売れ筋順に出すだけのものや、顧客の購買履歴をもとに、類似品を出すだけのものも少なくありません。

しかし、先に書いた通り、顧客が「なぜその商品ページを見るに至ったのか」は、千差万別です。
例えばファッション雑貨のサイトで「ビーチサンダル」を見ているユーザーは、週末に行くビーチで使えるグッズを探しているのかもしれませんし、夏用の可愛いサンダルを探しているだけなのかもしれません。

このようなユーザーに、ただ「ビーチサンダルの売れ筋品」をレコメンドしても、有効なフックにはなりません。
ユーザーによって、「サンダル以外のビーチ用品」や「ビーチサンダル以外の可愛いサンダル」を表示するべきです。

この判断を実現するのが、レコメンドのパーソナライゼーションを実現するAIです。
事前に「どんな客には何をレコメンドするか」という入念な設計をしなくても、AIが自然にユーザーの行動(閲覧・購買など)を学習し、多様なニーズに即したレコメンドを出すことができます。

シルバーエッグのレコメンドエンジンを例にとると、適切なチューニングを施すことで、ユーザーが3種類程度の商品を閲覧すると、その履歴から何を求めているのかを大まかに予測し、適切な商品をレコメンドすることが可能になってきます*。

初回訪問のユーザーも、サイトにある商品をいくつか眺めているうちに、潜在的に自分が欲しかった商品がレコメンドされるようになります。これにより、初回の購買確率はより上がっていくことでしょう。

*サイトの構造や業種・業態によって異なります

AIによる学習で、「2回目の購入」に繋がるデータを取っておく

もちろん、AIによるパーソナライゼーションには、弱点もあります。そもそも商品のバラエティが少ないECサイトでは、商品選択の多様性も少なく、AIを入れる意味が無いという場合もあります。

また、ユーザーがまったく商品を閲覧していない状態では、ニーズの予測のしようがありません。とくに初回ユーザーのアクセス先がサイトのTopページだったりすると、そこに出すレコメンドに窮するという場合があります。こういった状況では、代替として売り上げランキング表示を掲載したり、Blogやスナップフォトなどの情緒に訴えるページへの誘導をしたりして、顧客の購買意欲をワームアップするのがよいでしょう。

しかし、そのような弱点があってもなお、AI搭載のレコメンドエンジンの導入には大きなメリットがあります。それは、初回で学習したユーザーの行動が、2回目のアクセスと購入を促すために、大きな材料となるからです。

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2. 心動かされる提案が2回目の購入の決め手

F2転換率向上の核となる、2回目の訪問を促すためのレコメンドエンジン活用法についてご紹介します。

第1フェーズで導入したAI搭載レコメンドエンジンによるパーソナライゼーションの仕組みは、そこで蓄積したデータを使うことで、第2フェーズである「初回購入後のショップの再訪検討」と、第3フェーズである「ショップを再訪しての2回目の購入」で真価を発揮します。その仕組みとノウハウについて、紹介します。

第2フェーズ:初回購入後、2回目のショップ訪問を行う理由

初回購入を終えたユーザーが、2回目も同じブランドのECサイトで購入する理由は何でしょうか?多くのマーケターがまっさきに思いつくのが「ユーザーが初回に買ったものを気に入り、そのブランドを信頼したから」というものです。これは実際、いくつかの消費者リサーチでも確かめられている理由です。

購入後、消費者の内面で生まれた「商品購入に関する選択は間違っていなかった」という自信が、「次もここで買えば間違いないだろう」という期待を呼び起こし、ブランドの選択に繋がっていきます。

しかし、これはあくまで、消費者サイドでの”消極的な“選択の理由です。紙おむつやドッグフードなどのリピート買い商品を除けば、消費者はあくまでそのブランドを第一候補として選んだだけで、具体的な「2回目の購入商品」の選定には至っていません。

そこで必要になるのが、ショップからの能動的な消費の喚起です。2回目のアクセスを引き起こすためには、ユーザーのブランドへの信頼度が高いうちに、複数のマーケティングチャネルを通じて、企業側からアプローチする必要があります。

2回目のアクセスを引き起こす「具体的なニーズの喚起」

メッセージを送るチャネルには、ネットやテレビなどのメディア広告や、EメールやLINE公式チャネル、会員アプリを介したユーザー個人へのPushメッセージなどがあります。
ただ、チャネルは何であれ、顧客の2回目の消費を喚起する決め手になるのは、「どんなコンテンツを見せるか」です。

ブランドを象徴する美麗なバナー広告や、商品開発のバックグラウンドストーリーを掲載したメールマガジンは、顧客の好感度を高め、長期的なロイヤルティ向上には役に立ちますが、2回目の消費を直接促す手段としては、まだ消極的と言えます。

一方、適切なタイミングで配信される「新製品入荷!」や「セール開始!」といったキャンペーンメール/メッセージは、ユーザーの関心を呼び起こしやすく、サイトへのアクセス率も上がりやすくなります。しかし、そこで紹介される商品が、ユーザーにとって「買いたくなるモノ」でなければ、やはり最終的なコンバージョン=購入には繋がりません。

ここで、初回購入時に商品選択のサポート役として導入されていたレコメンドエンジンが、再び効果を発揮します。セールなどの2回目の購入が発生するタイミングで、メールの中でユーザー向けの商品をレコメンドすることで、具体的なニーズの喚起ができるからです。

「パーソナライゼーション」が2回目のニーズ喚起に効く理由

2回目の購入というのは、前回の購入からある程度時間が経ってから発生します。例えば初回購入が春だったとしたら、次回購入は夏や秋になっているかもしれません。
そのタイミングで、果たしてユーザー個人のニーズに沿った商品がレコメンドできるのでしょうか?

ユーザー行動情報の分析をベースとする機械学習エンジンであれば可能です。
これは、AmazonやNetflix、シルバーエッグ・テクノロジーが採用する方式です。

行動情報ベースのAIレコメンドは、サイトにアクセスした多数のユーザーの購買履歴や閲覧履歴を統計的に分析し、「あるアイテムを購入した人は、別種のあるアイテムも購入する確率が高い」という予測をおこなうものです。

例えば、アパレルショップで「春物の白いブラウスを購入したユーザーは、次にグリーンのスカートを買う確率が高い」というデータと、「グリーンのスカートを買ったユーザーは、次に夏物のサンダルを買う確率が高い」というデータがあれば、「春に白いブラウスを買ったユーザーは、(グリーンのスカートを買っていなくても)夏のタイミングでサンダルを買う確率が、他の商品より少し高くなる」という、予測が成り立ちます。

AIは、このような予測を、全ユーザーや全商品について、日々更新されるデータ(新商品の入荷や新たな購入の発生)を加味しながら行っていきます。単に購買履歴だけでなく、購買に至るまでの閲覧履歴を加えたり、どんな順番で商品を買ったかと言った時系列データを加えたりすることで、予測の精度はどんどん上がります。

予測精度を深めていくと、おなじ白いブラウスを購入したユーザーでも、その前に何を買っていたかによって、次に買われるだろう商品が変化します。また、白いブラウスを購入したあるユーザーがその直後に何も買わなかったとしても、似た購買行動をとってきた別のユーザーが、日々何かしら別の商品を買っているため、それらの情報を加味して予測をアップデートさせることができます。

結果として、2か月後であっても3か月後であっても(ログインIDや1st Party Cookieで個人の履歴が保持されている限り)、その時点でユーザーが最も買う確率が高い商品を提案することができます。結果として、ユーザーは「春先にブラウスを買ったら、夏になって今の自分にぴったりのサンダルがレコメンドされた!」という体験を得ることになります。

初回購入の商品に満足したユーザーに、メールやアプリを介して、他にも“自分にとって”良い商品があると気づかせることは、自分のブランドの選択が間違っていなかったという心理を強化します。2回目のアクセスを誘引するためにユーザーにパーソナライズした商品を具体的に紹介するコミュニケーション戦略は、この点で高い成果を得ることができるでしょう。

実際、シルバーエッグのメールレコメンドサービス「アイジェント・レコガゾウ」を使ったパーソナライズドメールの施策では、通常のメールに比べ店舗へのアクセス率(=メールのクリック率)が1.25倍になるといった成果が得られています。

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3. 2回目アクセスから2回目購入への導線

ユーザーの初回購入後のフェーズでは、「そろそろ何か欲しいな」と思うタイミングで、メールで「自分にとってベストな商品がある」ということを伝える施策が、2回目のアクセス獲得に非常に有効であるということを示しました。

最後の締めくくりとなるのは、2回目のアクセスを行ったユーザーに、実際に商品を買ってもらうフェーズです。

しかし、実はこの第3フェーズでは、第2フェーズの施策で事実上片が付いている、と言っても過言ではありません。なぜでしょうか?

第1フェーズの説明通り、サイト内でCVRが上がらない理由の多くは、ユーザーがアクセスしたページから、実際に購入したいと思える商品ページにたどり着く前に離脱してしまうという問題に集約されます。

一方で、パーソナライズドメールを使った戦術では、最初から「自分が欲しいと思える商品」が提案されています。そして、メールで提示された商品をクリックすれば、いきなりその商品の詳細ページにアクセスできるのです。あとは「カートに入れる」ボタンをクリックするだけです。

パーソナライズドメールを使ったF2転換率向上施策の真価は、まさにここにあります。2回目で購入したい商品を“探す”という面倒な工程を強いる……つまり、サイト内で不要なクリックをさせ、離脱率を上げることなく、商品の購入を促すことができるのです。

顧客本位のコミュニケーションが作る、企業と顧客の好循環

フェーズ2~3での、レコメンドエンジンを使ったパーソナライズド戦略には、さらなるメリットがあります。パーソナライズドメールで提案された商品のうち、ユーザーがどの商品ページにアクセスしたかを観測することで、AIはユーザーの好みをさらに深く学習します。

仮にユーザーがアクセスした商品ページ内で考えを変え、「買わない」という決断をしても、ページ内のレコメンドには、初回訪問時とメール内でのレコメンドを踏まえたより良い商品のレコメンドが表示されています。これにより、ユーザーのポジティブな商品探索を続けることができるでしょう。

このように、ユーザーの初回アクセスから2回目の購入に至る各フェーズで、レコメンドエンジンによる一貫した商品提案を続けることができ、「AIがユーザーの好みを予測し提案する」「ユーザーがAIの提案を受け入れる」「ユーザーの選択を学習し、AIの予測精度がさらに高くなる」という好循環が完成します。

企業側が売りたい商品を広告でプッシュするのではなく、ユーザー一人ひとりの行動を学習し、それに合わせた提案をし続けることで、ユーザーは2回目、3回目とアクセスするたびに「よりよい商品との出会い」を経験できるようになり、ブランドへの愛着は深まっていきます。

F2転換率の向上を実現し、LTVを上げてゆくスキームの核心は、顧客本位のパーソナライゼーション・マーケティングにあると言えます。

まとめ

F2転換率向上のためには、顧客が初回購入から2回目の購入に至るまでのカスタマージャーニーを理解し、各フェーズで適切な施策を講じることが重要でした。この記事ではカスタマージャーニーは大きく3つのフェーズに分けて、それぞれの対策方法を解説しました。

初回購入フェーズでは、初回訪問時にいかに顧客の心を掴むかが重要でした。AIレコメンドで、顧客の興味やニーズに合った商品を提案することで、離脱を防ぎ購買に繋げます。
再訪検討フェーズでは、初回購入後の顧客に対し各チャネルのタッチポイントを効果的に活用することがポイントです。メールやアプリを通じてパーソナライズされた情報を発信することで、再訪を促します。
2回目の購入フェーズでは、再訪した顧客に対し、メールなどのチャネル上で提示された商品の詳細ページに直接アクセスできるようにすることが効果的です。それにより購入までの手間を減らし、スムーズな購買体験を提供します。

AIレコメンドでは、各フェーズでレコメンドエンジンによる一貫した商品提案を続けることで、予測精度が高まり好循環が生まれます。顧客本位のパーソナライゼーション・マーケティングが、F2転換率向上とLTV増加の鍵となります。

最後に、この記事で紹介したAIレコメンドを活用した「F2転換向上 3つのステップ」に関するより詳細なソリューション資料をご案内します。

資料請求: F2転換率向上3つのステップ

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また、本文中で紹介したレコメンドメールサービス「アイジェント・レコメンダー」のご紹介資料はこちらになります。

最後までご覧いただきありがとうございました。


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文責:園田 真悟(シルバーエッグ・テクノロジー株式会社)



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